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人と動物のご縁を結ぶ、一般社団法人わんむすび

更新日:10 分前

 京都市下京区で活動される一般社団法人「わんむすび」は人と動物、人と人とのご縁を結ぶことを大切にしながら、捨て犬や捨て猫などの保護動物が発生するさまざまな要因課題に向き合う活動を行っています。今回は、代表の石部さんにインタビューを行い、活動を始めたきっかけや、設立に至るまでの歩みについてお話を伺いました。

 また、動物を「保護する」だけでなくその背景にある原因に目を向け、根本から課題を減らしていくための考え方や、活動を続ける上で大切にしていることについても詳しくお聞きしました。わんむすびの取り組みを通して動物愛護を身近な社会問題として捉える視点について紹介していきます。


Q.石部さんご自身が、この活動を始めようと思った経緯について教えて下さい。 

 飼い主や動物を取り巻く課題について目を向け始めたのは、私が10代の頃でした。当時、人間関係でつまずき、人との付き合いがうまくいかず悩んでいた時期があります。

 その際、飼っていた犬との触れ合いが、まるで気持ちが通じ合っているかのように心を癒してくれました。その経験を通じて、人にも動物にも心を開くことができたという原体験があります。その後、大人になってから、保護施設や若手企業家による動物愛護に関わるさまざまな取り組みを知りました。こうした活動に触れたことに加えて、各地の愛護センターや保護活動家を訪問して「飼い主の死亡や病気で捨てられるペットが本当に多い」という話を聞いたことが、現在の活動を始めることにつながっています。


Q.一般社団法人「わんむすび」という組織の立ち上げと法人名に込めた思いを聞かせてください。 

 「わんむすび」という名称は五十音順で最後の「わ」の文字に由来しています。生まれてから生涯にわたり、人と動物とのご縁を一つに結ぶという意味を込めました。個人的には犬派ではありますが、犬に限らず、猫やうさぎなど、他の動物の活動家の方々とも関わりを持っています。人と動物、双方のコミュニティづくりを目指したことが、この「わんむすび」に込めた願いです。

 設立にあたっては、まず社会人としての基礎を身につけることを優先しました。大学院在学中からNPOの広報としてマーケティング、ブランディングなどにも携わり、幅広い視点で経験を積み重ねてきました。


Q.わんむすびさんに相談に来られる方のなかにはどのような方がいますか。またその方にどのように対応されているのでしょうか。

 最も多いのは、ご自身の終活を考える中で、飼っているペットの行く末に不安を抱えて相談に来られる方です。また飼い主さんだけでなくトリマーやペットシッターなど、日頃から動物を預かる立場の方から相談を受けることもあります。ただし、こうした問題への意欲が高い方はまだ限られているのが現状ですので、行政とも連携しながら啓発活動にも取り組んでいます。

 対応としては、まず信頼できる次の飼い主さんや施設など、万が一の際に「託せる先」をご自身で見つけていただくことを優先しています。基本的には、飼い主さんがある程度信頼できる候補を見つけられた段階で、遺せるお金や法律など具体的なご相談をいただくことを推奨しています。


Q.動物の「保護活動」ではなく、「啓発活動」という形で社会に貢献しようと考える理由や意図をきかせてください。 

 まず、目の前の命を救う「保護活動」に尽力されている方々には、深い敬意を持っています。その活動が必要不可欠であるからこそ、私は啓発という自分にできることからスモールスタートしようと考えました。保護活動が必要になっている現状を掘り下げて根本から見つめ直し、その原因自体にアプローチすることも、状況の改善には大切だと考えています。

保護動物が発生する要因を一つずつ減らしていくこと。「保護」と「予防」が両輪となって、根本的な課題にしっかりと向き合う姿勢こそが重要だと考えています。


Q.石部さんが考える「動物を託す」という行為を、持続可能なものにするために必要なことは何だと思いますか? 

 自利利他の精神、つまり「ペットを預ける側」と「引き受ける側」の双方が、無理なく幸せになれる仕組みを一緒に作っていくことが重要だと感じていいます。

 例えば、預ける側と引き受ける側の双方が、精神的にも物質的にも心地よいと感じられるポイントを見つけるためには、活動を支える適切な対価を受け取ることによる担い手の「経済的な自立」も欠かせません。善意だけに頼り切ってしまうと、いつか双方が疲弊してしまうからです。

 経済的な安心感と、温かい人間関係。この二つの土台をしっかり整えること。そして、保護活動と並行して、その背景にある根本原因を掘り下げ、同時に対処していくことが非常に大切だと考えています。


Q.読者の方にお伝えしたいことはありますか。

 動物愛護への関わり方は、想像以上に間口が広いものです。「自分には関係ない」と決めつけず、少しでも気になることがあれば、実際に現場で活動している人に声をかけてみてほしいと思います。

 問い合わせてみることで、「こんな関わり方があるんだ」と新たな選択肢が見つかることも少なくありません。大切なのはスキルよりも、まずは「やってみたい」という気持ちです。団体側もそのような方を心から歓迎しています。

気持ちがあれば一歩踏み出してみること。その行動の積み重ねは、たとえ直接的に動物愛護の結果に結びつかなかったとしても、ご自身の引き出しを増やし、人間として成長や人生の豊かさにつながっていくはずです。


編集後記

 一般社団法人「わんむすび」さんの活動を通じて、動物を保護するだけでなく、人と動物、人と人との関係性についてを考える機会となりました。代表の石部さんのお話から、動物愛護は特別なものではなく、誰もが自分にできる形で関われる身近な社会課題として抱えている姿が印象に残りました。また、保護活動の背景に目を向け、根本的な原因から向き合おうとする考え方は、さまざまな社会問題にも通じるものがあると感じました。小さな関心や行動の積み重ねが社会を少しずつ変えていく力になるのだと、今回のインタビューから学び、自分にできる小さな行動からまずは始めてみようと思いました。今回の学びをこれからの生活の中で活かしていきたいです。 

(インタビュー・記事作成 田室)

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