2020年2月28日(金)、下京いきいき市民活動センターで連続講座『Dive-in SHIMOGYO』の第3回目「ダイバーシティで地域を切り開く」を実施しました。
当日は、「瀬戸内国際芸術祭」と芸術祭を支えるサポーター「こえび隊」の活動事例から、地域課題を解決するためのコーディネーションのポイントを考えました。
☆「瀬戸内国際芸術祭」については、こちら
☆「こえび隊」については、こちら
まず、「瀬戸内国際芸術祭」と「こえび隊」について、特定非営利活動法人瀬戸内こえびネットワークの事務局長、甘利彩子さんに紹介いただきました。
そこでは、芸術祭が瀬戸内の島々の地域課題を解決するために生まれたものであることが紹介され、それぞれの島の背景が語られました。
高度経済成長に伴う環境問題や廃棄物の不法投棄のある島や国策によるハンセン病の隔離施設となった島、産業が衰退し人口が減少していく島。
それを、現代アートの力で再興しようとする試みが、地域型芸術祭「瀬戸内国際芸術祭」であると甘利さんは言います。
芸術を通じて、多くの人に島を好きになってもらいたい、島の課題を知ってもらいたいという思い。
そうした思いを伝えるために、「こえび隊」というボランティアサポーターが活動しています。
「こえび隊」は、日本中・世界中の誰でも参加が可能で、年齢・職業に関する制限はありません。
活動内容も様々で、島の行事への参加や、作品制作のお手伝い、イベントの企画や補助なども行います。
2009年に発足した「こえび隊」は、地域と芸術祭にまつわるいろんな立場の人たちをゆるやかにつなげる役割を果たしてきたと言います。
そうした事例を伺った後、参加者はグループごとに、「地域課題を解決するためのコーディネーションのポイント」を議論しました。
”コーディネーションとは、人や事物が対等になるように調整すること”という前提を全員で認識したうえで、芸術祭およびこえび隊の活動のポイントが何だったか、皆さんで意見を出し合いました。
そこでは、コーディネーターにとって必要な【心構え】・【行動】・【プログラム】などについて盛んに議論が交わされました。
その議論ののち、甘利さんがコーディネーターとして大切にしていることとして、”いろんな人が携わってできる手作り感”と、”他人の土地で活動させてもらっているという地域への敬意”ということが紹介されました。
地域課題を解決するというと、難しく聞こえるかもしれません。
しかし、それがうまくいっている事例を細かく紐解けば、地道なことの積み重ねであることが見えてきます。
今回の講座から、地域との関わり方、地域外の方との関わり方のポイントが見えてきたのではないでしょうか。
連続講座「Dive-in SHIMOGYO」では、”他者との協働の必要性”・”まちの個性の引き出し方”・”地域課題を解決するためのコーディネーション”について、学んでまいりました。
ご参加いただいた方、ありがとうございました。
今回の学びを踏まえ、下京いきいき市民活動センターでは来年度から新しい取り組み
「まちのモグラ」
をスタートさせる予定です。
今回の講座で興味をもたれた方は、ぜひ一緒に活動しませんか?
よろしくお願いします。
(事業コーディネーター/副センター長 吉田隆真)
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