2020年2月21日(金)下京いきいき市民活動センターで連続講座「Dive-in SHIMOGYO」の第2回目を実施しました。
当日は、一人ひとりの個性を活かして、魅力的な“まちあるき”プログラムを提供する「まいまい京都」代表の以倉さんから、「まいまい京都」の仕組みや運営のコツを聞くとともに、参加者のみなさんで下京区の多様な観光資源を<ヒトの面白さ>という新しい切り口から考えました。
まいまい京都は、民間として7年間継続してまち歩きツアーを自立的に運営している珍しい事例として全国各地から注目されています。
そんな、まいまい京都のガイドの数は累計400名。代表の以倉さんは、「とにかく面白いヒトを探す」ことにこだわって地道にその数を増やしてきました。プロのガイドさんではなく、アマチュアの人にお願いするために、ガイド探しや地元の調整などの作業は地道な努力が必要ですが、その努力は参加者の高い満足度やさらには参加者同士の質の高い関係性構築に結び付いている大きな要因であるということでした(数多くの夫婦が誕生しているとか笑)。
なぜ、そこまで「ヒト」にこだわるのか? それは、「まちの魅力は『ヒト』によって引き出される」と考えるからで、「『モノ』や『コト』に愛情や情熱を持っている人と2時間一緒にまちを歩いたら、それが伝播してだんだんと楽しくなってくるからだ」というお話でした。これは、単純に知識を知っていて、それを提供するだけのガイドさんとの決定的な違いということでした。 多様な個性を持った<面白いヒト>を観光資源として捉え直すことが<人と人の出会い>を重視するこれからの観光においてのキーワードになるのではないでしょうか? お話を聞いて、そんな認識が出てきたところで、参加者の皆さんに下京区における観光まち歩きに当てはまりそうな<面白いヒト>を可視化していくための実践ワークをしてもらいました。
参加者それぞれ、何かにとても詳しいヒトや今まではあまり観光という文脈では注目されてこなかった珍しい活動をしているヒト、ある仕事に対しての熱意が強いヒト、なにかに強いこだわりがあるヒトなど、様々な視点からアイデアが出ました。
その後、以倉さんから参加者のアイデアに対してのフィードバックがあり、「これを具体的にツアーにしていくなら…」という観点で話してもらい、「実際に、こういうものも観光商品になるんだ!」という驚きやひらめきの声がありました。
実は、私たちの身近には<潜在的に観光資源となるもの>があり、それが<個性を輝かせる場にもコミュニティ形成にもつながり>、さらにまち歩き事業が<固定費をほとんどかけない形で運営していける>事例を知ったことで、参加者からは「ガイドに関する概念が変わった」や「自分の中で新しい考えが生まれた」などと観光をツールにして社会をよりよくしていくための一つの武器を手に入れたという声がありました。
本連続講座では、多様な側面を持つ下京区というまちにもぐり込み、人と人、そして人と場所の資源を結びつけながら地域をより良くしていく<市民コーディネーター>(まちのモグラ)として活躍していく人を増やしていくことを目指して開講しています。
まいまい京都のまち歩きの取り組みは、地域活動における<ダイバーシティ&インクルージョン>(多様性と包摂)の視点からも、地域にある多様な個性を観光の切り口から見直し、地域をよりよくしていく継続可能な活動の好事例だと感じました。
(地域コミュニケーター 藤本直樹)
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